【北欧デザイン④】120年変わらない問い。デンマーク発ブランドに見る美しいの定義|Georg Jensen・Skagen・Pilgrim・Maria Black・Shamballa Jewels
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「北欧のアクセサリーの惹かれる理由はどこにあるのですか?」
🐾この記事でわかること
- 北欧発アクセサリーブランド5社のデザイン理念と特徴
- 各ブランドに共通する「民主的なものづくり」という北欧の哲学
- ジュエリーから時計・ブレスレットまで、幅広いカテゴリを網羅

ジョージイェンセンとか、北欧発のアクセサリーってなんか他と違う気品があるよな。筋が通ってるっていうの?職人気質感出てるよな。

うん、レベル高いわよね。考えて見るとデザインだけじゃなくて、ものづくりの考え方が違うのかなって思うの。それが見た目に表れているんじゃないかしら。
北欧デザイン①では、北欧デザインが生まれた背景にある、長い冬・民主主義的デザインの思想・使う人の感情まで設計する姿勢を掘り下げました。この記事では、アクセサリージャンルに視点を絞り、その思想がどのようにプロダクトに宿っているかを、5つのブランドを取り上げて深掘りしていきます。

比較要約表:北欧発アクセサリーブランド5社
| ブランド | 国 | 創業 | カテゴリ | 北欧デザイン理念との接点 |
|---|---|---|---|---|
| Georg Jensen | デンマーク | 1904年 | ジュエリー・食器・時計 | 「美と機能の民主化」を120年続ける |
| Nordgreen | デンマーク | 2017年 | 腕時計 | コペンハーゲンのライフスタイルを腕に」手頃な価格×本物のデザイン |
| Pilgrim | デンマーク | 1983年 | ジュエリー | リサイクル素材75%以上・サステナブルなものづくり |
| Maria Black | デンマーク | 2010年 | ジュエリー | 「スタイルは誰かに決められるものではない」という個の尊重 |
| Shamballa Jewels | デンマーク | 2005年 | ジュエリー(高級) | 東洋哲学×北欧クラフトマンシップ。意味を纏う装身具 |
① Georg Jensen(ジョージ イェンセン):「美しいものは、誰のものでもある」
ジョージ イェンセンは1904年、コペンハーゲンで銀細工師のゲオア・イェンセンが創業しました。彼が掲げた哲学は非常にシンプルで、「美しさと機能を兼ね備えたデザインを、民主的に届ける」こと。ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン紙はその訃報で、彼を「過去300年で最も偉大な銀細工師」と称えました。
ジョージ イェンセンの特徴は、自然のモチーフを使いながらも有機的で彫刻的な美しさを持つ点です。葉・花・波のような自然からインスピレーションを得た形が、シルバーやゴールドのプロダクトに落とし込まれています。「流行を追うのではなく、現在に導かれよ」というイェンセン自身の言葉が、ブランドの姿勢を象徴しています。
【代表的なデザイン】

このカトラリーの形、やばくね?どうやってこの形が実現するんだよ。。と思ったら動画でめちゃ金属叩いてた。

すごく奇抜にしようって印象でもないのよね。主張のマックス値は抑えめに設定されている感じがして、日常使いのツールとして使いやすい。人間工学的な控えめさもあり、道具としての個性もありって感じね。
創業から120年以上が経った今でも、ジュエリー・食器・時計・ホームウェアにわたるプロダクトが、世界94の直営店で販売されています。これだけの歴史を持ちながら、時代を超えて使われるデザインを作り続けているブランドは世界でも数少ないです。
② Nordgreen(ノードグリーン):コペンハーゲンのライフスタイルを腕に
ノードグリーンは、2017年にコペンハーゲンで創業した腕時計ブランドです。
すべての時計は、Bang & Olufsen・HAY・Muutoなど名だたる北欧ブランドのデザインを手がけてきたデンマーク人デザイナー、ヤコブ・ワグナーによってデザインされています。

この動画で語ってくれてるデザイナーのことだな。

この、男性性も女性性もとくに感じさせない、ニュートラルなデザインがおしゃれね。ターゲットをあえて絞らない感じ。
彼の手がけた作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)にも常設展示されています。ノードグリーンのブランド設計哲学に関しては、こんなふうに語られています。
どんな装いでも、どんな場所でも、どんな気分でも、毎日身に着けられるものを作りたかった。シンプル、機能的、そして独自性を持つ時計が必要だった。
【フィロソファーシリーズ】(代表作)
「過去から学び、現在を生き、未来を考える」という哲学を文字盤に込めたデザインで、iF Design Awardを受賞しています。
秒針は、デンマークの風力発電の風車からインスピレーションを受けており、サステナビリティや社会貢献など、その国が持つコンセプトや個性がデザインの細部にまで宿っている時計です。

腕時計といえば、お値段で言うといくらでも跳ね上がる分野ですが、価格帯は2万円台から。超高級志向とは差別化できる価格設定なのが印象的です。
洗練されたデザインからして、思ったほど高くないかも?と感じた方も多いのではないでしょうか。デザインの完成度に対する価格帯を見ても「手頃な価格で本物のデザインを」という意識を感じます。
③ Pilgrim(ピルグリム):「手で作ることと、地球への責任」
ピルグリムは、1983年デンマークのオーフスで創業した家族経営のジュエリーブランドです。創業以来一貫して、職人の手仕事を大切にしながらジュエリーを作り続けています。

実は2024年に一度破産申請をしているのですが、現在でも事業継続中です。日本との関連も深くて、時計の心臓部である駆動機構には日本製クオーツを採用。破産前から、日本を主要市場として位置づけていて、日本専任のカントリーマネージャーを置くほど力を入れていたんですよね。
ピルグリムは、「美しいものを作ること」と「地球に対する責任」を、同時に追求しているブランドです。特徴的なポイントとしては、ジュエリー素材に対するの姿勢が挙げられます。
ピルグリムのすべてのジュエリーに使用する金属素材の75%以上は、リサイクル素材で作られています。また、敏感肌の方にも安心なニッケルフリーの素材を採用しています。

デザインのコンセプトは「自由と自己表現」。北欧の景観・神話・自然から着想を得た、ミニマルでありながら個性的なデザインよね。

制限や固定観念から自由になって、誰もが自分らしくあれる世界を創るというコンセプトもいい。このジュエリーデザイン自体がそれを体現してる。敏感肌でアクセサリー選びに困ってる人にも勧めやすい。
④ Maria Black(マリア ブラック):「スタイルは、誰かに決めてもらうものじゃない」
マリア ブラックは2010年、コペンハーゲン出身のデザイナーのマリア・ブラックが創業しました。
彼女はアイルランドとデンマークにルーツを持つ金細工師で、「スタイルや流行は、誰かに決められるものではなく、自分で探求し表現するものだ」という哲学を軸にブランドを立ち上げました。

インタビュー見ててもかっけえんだよな。
マリア ブラックのジュエリーは、「重ねて着ける」「非対称に使う」「自分で組み合わせを作る」という自由さが特徴です。男性が真珠のピアスを着けることも、女性が強い輪郭のピースを選ぶことも、ブランドは積極的に後押ししています。

片耳ピアスって馴染みがなかったけど、マリアブラックのジュエリーには片耳用で売ってるのもふつう。片耳だけさりげなくつけるスタイルを提案してるのが新鮮よね。
サステナビリティの面では、すべてのコレクションに100%リサイクルの14Kゴールドとスターリングシルバーを使用。採掘ダイヤモンドの代わりにラボグロウンダイヤモンド(研究所で作られたダイヤモンド)を採用し、環境負荷を大幅に削減しています。
現在30以上のグローバル市場で展開されており、スカーレット・ヨハンソン・ビヨンセ・レディー・ガガなど世界的なセレブリティも愛用しています。
⑤ Shamballa Jewels(シャンバラ ジュエルズ):東洋哲学と北欧職人技が交差する場所
シャンバラ ジュエルズは2005年、コペンハーゲンで兄弟のMadsとMikkel Kornerupが創業しました。ブランドの出発点は、2001年にMadsが作ったひとつのブレスレットです。
Mikkel Kornerupはこう語っています。
私たちのビジョンは、単なる高価な素材を超えたファインジュエリーを作ること。最初はこのシンプルな贅沢の再定義を、現代の男性に向けて行いました。
こうしたデザイン理念があるので、ジュエリーのデザインは自由自在。日常使いに使いたいカジュアルさを兼ね備えています。メンズジュエリーという市場に、スピリチュアルな要素と北欧の職人技を融合させた新しい価値を持ち込んだブランドといえます。
Shamballa Jewelsの最大の特徴は、東洋の哲学と北欧の職人技を融合させている点です。
ブランド名の「シャンバラ」は、チベットの神話に登場する理想郷の名前。ヨガ・仏教の瞑想・東洋のジュエリー制作の伝統からインスピレーションを受けたデザインが、コペンハーゲンのアトリエで職人の手によって18Kゴールドと天然石を使って作られます。

「装身具は、素材の価値を超えた意味を持つべきだ」というブランド思想を持っているのね。創業者のMads・Mikkel Kornerup兄弟は、世界中を旅して様々な文化と宝石に魅了されたらしくて「既存のジュエリー業界に変化をもたらしたい」という強い想いでブランドを立ち上げたそうなの。

すべてのピースはビーズひとつから選んでカスタマイズ可能。だからデザインがまったく同じになることはない。遊べる。このオーダーメイド感が刺さる人はたくさんいるんじゃないかな。ジャラジャラ付けてもそれぞれの個性が喧嘩しないのが不思議だわ。
5ブランドに共通するもの
創業も価格帯もターゲットも全く異なるこの5つのブランドにもまた、共通点を見出すことができるのではないでしょうか。どのブランドも「美しいものを作ること」と「誰かの日常に寄り添うこと」を切り離して考えていません。
Georg Jensen:「美しさは誰のものでもある」
Nordgreen:「手頃な価格で本物のデザインを」
Pilgrim:「美しさと環境への責任は両立できる」
Maria Black:「スタイルに正解はない」
Shamballa Jewels:「装身具には意味が宿る」

昨今の消費市場において、「高いものを作ろう」とすればいくらでも高級志向のものが作れると思うのですが、、北欧ジュエリーにもまた、日常と切り離せない親近感のようなものがブランドコンセプトから感じられるのではないでしょうか。


お読みいただきありがとうございました!
