【飲んだ後は返金!?】実は世界中にあった。世界のデポジット文化まとめ|ペットボトル・缶・ビンの返却システム
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「容器を返すとお金が戻ってくる仕組み、世界にどれくらいあるの?」
🐾この記事でわかること
- 「デポジット制度」と呼ばれるこの仕組みはなぜ生まれたのか
- 世界の国々のユニークな事例(飲料容器だけでなく、コーヒーカップやテイクアウト容器まで)
- 日本にこの制度が普及していない理由

海外の面白い文化を調べてたら、空き缶やペットボトルを店に持っていくとお金が返ってくる仕組みがあるって知ったんだけど、あれすごいよな。

そうね、特定の国だけじゃなくて、世界中いろんな形であるのよね。面白そうだから深掘りしてみたい。

「デポジット制度」とは何か

世界には「デポジット制度(デポジット・リターン・スキーム)」と呼ばれる仕組みが存在します。仕組みはシンプル。飲み物を買うときに、商品の値段に少額の「預り金(デポジット)」を上乗せして払います。空になった容器を専用の回収機やお店に持っていくと、その預り金がそのまま返ってきます。
この制度が生まれた背景には、ゴミ問題があります。最初に導入されたのは1970年、カナダのブリティッシュコロンビア州でした。ヨーロッパでは1984年にスウェーデンが先駆けとなり、「捨てればゴミ、返せばお金」という単純なルールで、ポイ捨てを減らしながら資源を循環させる仕組みとして広まっていきました。現在、世界60地域以上でこの制度が運用されています。
比較要約表:世界のデポジット制度・主な事例
| 国・地域 | 対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| ドイツ | 飲料容器(ペットボトル・缶・ビン) | 返却率98%以上。世界最高水準 |
| ノルウェー | 飲料容器 | 返却率92%。北欧の代表格 |
| リトアニア | 飲料容器 | 導入前34%未満→導入後2年で92%に急上昇 |
| ドイツ(リーカップ) | コーヒーカップ | 使い捨てではない繰り返し使えるカップが対象。最大1,000回使用可能 |
| 韓国 | テイクアウト容器・コーヒーカップ | CO2排出量66%削減・年間約36億円の節約効果 |
| ポーランド | 飲料容器(小型ウォッカ瓶含む) | 街中に多い小瓶のポイ捨て対策としても導入 |
容器を入れるとお金が出てくる機械の名前
容器を入れると返金されるあの機械は、「逆自動販売機(リバース・ベンディング・マシン)」と呼ばれています。普通の自動販売機が「お金を入れて商品が出てくる」のに対して、「容器を入れてお金が出てくる」逆の仕組みだからこの名前がついています。
使い方はとても簡単です。容器を機械に入れると、バーコードや容器の形・重さ・材質を自動でスキャンして識別し、対応する返金額を計算してくれます。最後にレシートが発行され、そのレシートをレジに持っていくと現金や店舗のクレジットに引き換えられます。

この機械を作っているメーカーの世界最大手なのが、ノルウェーのTOMRA(トムラ)だ。1972年に世界初の完全自動式の逆自動販売機を開発した会社で、今は世界60以上の国と地域で導入されてるんだな。

デポジット制度がノルウェーをはじめ北欧で特に進んでいるのは、この技術が北欧発だからかもね。TOMRAもAIを導入して色々な試みをしているわ。みてこれ、異なるナッツを仕分けしてるの。

とはいえ、なぜベンディングマシーンにいれる必要があるんだろうな?ふつうにゴミ収集に出してもリサイクルになるのに?
素朴な疑問:なぜわざわざ持ち込みシステムなのか
普通のゴミ収集では、ペットボトルや缶が他のゴミと混ざって出されることが多く、汚れたり違う種類のゴミが付着したりして、実際にはリサイクルしにくい状態になってしまうことがあります。

逆自動販売機は容器を1本ずつスキャンして識別するため、純度の高い状態でリサイクル工場に届きます。
ゴミ収集に出すだけでは、リサイクルしても自分への見返りはありません。したがって、「分別が面倒だからそのまま捨てる」「外で飲んだ缶をその場に放置する」という行動が起きやすいのです。

その場合、分別に協力をした人に対して何かしらのベネフィット(報酬)が必要です。デポジット制度を利用するには「お金が戻ってくる」という直接的な動機があるため、消費者へお得という感覚を広める効果があります。リトアニアでは、制度を導入する前の容器の回収率は34%未満でしたが、デポジット制度の導入後、わずか2年で92%まで上昇しました。
ゴミ収集が対象にしているのは、基本的に「自宅から出るゴミ」です。

公園や道端、イベント会場で飲み終えた容器は、ゴミ収集の対象になりません。TOMRAの発表では、デポジット制度を導入しているノルウェーでは、容器のポイ捨てが1%未満に抑えられており、海岸に漂着するボトルのうち、ノルウェー産のものは8本に1本程度にとどまっているというデータもあるようです(データソースはこちら)。
数字で見ても差は明らかです。通常のゴミ収集による回収率は缶やボトルの50〜70%程度にとどまるのに対し、デポジット制度を導入している国では90%を常に超える回収率を記録しています。

つまりね、ゴミ収集とデポジット制度は、対立する仕組みじゃないわ。
- ゴミ収集:自宅で出すゴミ
- デポジット性:外で発生するゴミやポイ捨て
の二本立てということ。リサイクルでもそれぞれ仕組みで補い合う関係にあるってことよね。

なお、日本ではどうか?というと、ゴミ収集だけで93.5%という高い回収率を達成できています。分別回収のルールがすでに厳格に運用されているという特殊な事情によるもので、世界的にはむしろ少数派の成功例だと言えます。
高い返却率を誇る国々:ドイツ・ノルウェー・リトアニア
デポジット制度が機能している国の返却率は驚きの高さを記録しています。
ドイツは返却率98%以上、ノルウェーは92%を達成。特に印象的なのはリトアニアで、制度を導入する前の返却率は34%未満でしたが、導入からわずか2年で92%まで跳ね上がりました。
出典:TOMRAウェブサイトより
これらの国に共通しているのは、デポジットの金額が「ちゃんと取りに行きたくなる」程度に設定されている点と、スーパーやコンビニなど身近な場所に専用の回収機(自動販売機のような機械)が設置されていて、返却の手間が少ないことです。

いつも行くスーパーだから、行くついでに飲み終わった後の缶やペットボトルを持っていけばいいんだな。
飲み物の容器だけじゃない。ユニークな応用事例
ドイツ🇩🇪「リーカップ」:コーヒーカップにもデポジットを
ドイツでは、缶やペットボトルだけでなく「コーヒーカップ」にもこの仕組みを応用したサービスが広がっています。「リーカップ(RECUP)」というサービスでは、使い捨てカップの代わりに繰り返し使える専用カップを選ぶと1ユーロのデポジットがかかります。

飲み終わったカップは、購入した店でなくても、提携している国内11,800店舗以上のどのカフェやレストランでも返却できます。カップは最大1,000回まで繰り返し使えるように設計されています。
この仕組みのポイントは「自分が買った店に戻らなくていい」という手軽さです。普段使いの行動範囲のどこかで返却できるからこそ、無理なく続けられます。

日本にはデポジット用の容器はないけど、持ち込み用のタンブラーや量り売りのお店用に容器を持つことで同じ効果があるわね。
韓国🇰🇷:テイクアウト容器にも

韓国では、コーヒーカップやテイクアウト用の食品容器を対象にしたデポジット制度が導入されています。この制度によって、CO2排出量が66%削減され、年間で約36億円相当のコスト削減効果が見込まれています。飲み物の容器に限定せず「使い捨て容器全般」に範囲を広げているのが特徴です。

ゴミを収集する・処理することにも実際けっこーお金がかかるんだよな。ゴミの量を減らすだけで、自治体がゴミにかけるコストを削減できるってのは知っておきたい。

日本のゴミ処理に関わるコストについては、ゴミ清掃員として収集のお仕事をしている方々のエッセイが参考になります。自治体ごとのゴミ削減の取り組みについて書かれていて、解像度が上がります。
ポーランド🇵🇱:ポイ捨て問題そのものをターゲットに

ポーランドのデポジット制度は、ペットボトルや缶だけでなくガラス瓶も対象にしています。背景には、街中でよく見かける小型のウォッカの瓶(現地では「マウペック(猿)」という愛称で呼ばれています)のポイ捨てが社会問題になっていたことがあります。制度の対象を広げることで、特定の社会課題に直接アプローチした事例です。
なぜ、日本にはデポジット制度が無いの?

実は日本にも、過去にデポジット制度を導入しようとした動きはありました。地方自治体による実証実験も行われています。ただ全国的な制度として定着しなかった理由は、主に3つあります。
日本では1997年に容器包装リサイクル法が施行され、自治体による分別収集とリサイクルの仕組みが整っていきました。2014年には回収率93.5%という高い数字を記録しており、「デポジット制度を新たに作らなくても、今の仕組みでそれなりに回収できている」という状況がありました。
デポジット制度を導入するには、回収した容器を保管する場所や、専用の回収機、運搬のための仕組みを新たに整える必要があります。これには大きな費用がかかり、特に人口が密集している都市部では負担が大きくなります。
ある調査では、デポジット制度を「日本全体で導入すること」には8割以上の自治体が賛成している一方、「自分の地域だけで先に始めること」には賛成が少ないという結果が出ています。一部の地域だけで導入すると、デポジット未導入の地域から対象商品を持ち込んで不正に返金を受け取る、といった問題が起きやすいことも壁になっています。

つまり日本の場合は「制度自体が認められていない」などの理由ではなく、既存の仕組みがある程度機能していたことと全国一斉に変えるための調整コストの高さが、導入を後押しする力よりも強かったということのようです。
まとめ:お金が戻ってくる仕組みは、世界共通の知恵だった
「容器を返すとお金が戻る」という仕組みは、世界60地域以上で形を変えながら実践されている、人類共通の知恵でした。飲み物の容器から始まり、コーヒーカップ、テイクアウト容器へと対象を広げながら、ちゃんと返したくなるインセンティブの設計を各国が試行錯誤してきた歴史があります。
日本に同じ制度がないのは、別の理由でリサイクルの仕組みが先に整っていたからという面もあります。海外旅行で空き容器を返却する機会があれば、その国がどんな理由でこの制度を選んだのか、少し想像してみると旅の見方が変わるかもしれませんね。

お読みいただきありがとうございました!
